深海から見える灯【完全版】
身体が重い・・・。
あたしは目が覚めても部屋でボーっとしていた。
部屋をノックしてお母さんが入ってきた。
「うらら、そろそろ準備しないと間に合わないよ」
黒のパンツスーツを渡された。
JRに乗って、あたしは久々に故郷に戻った。
ユキが教えてくれた斎場はちょっとわからなかったから、タクシーをつかまえて
行き先を告げた。
タクシーの運転手は懐かしいこの街ならではの方言であたしに話しかけてきた。
「お通夜かい?」
「そうです・・・」
あたしは窓の外をぼんやり見ていた。
「悲しい時はちゃんと泣いた方がいいよ」
「そうですよね・・・、でも、あたし信じてないから。実感がないんです」
そう言ってるうちに斎場に着いた。
斎場の前であたしはヒロの名前で通夜、告別式と書いた看板を見た。
香典を渡して記帳していると、肩を叩かれた。
西だった。
「あ・・・、久しぶり」
あたしが言うと「久々だな」と西は言った。
「お前、女子大生なんだって?」
ロビーの椅子に並んで座った。
「西は?今、何してるの?」
「オレ、神奈川で仕事してるんだ」
「そう・・・」あたしはやっぱりぼんやりしながら言った。
「斎場、先に見るか?遺影とか」
会場の入り口を指差して西は言った。
あたしは首を振って「始まってからでいい」と言った。
そんなあたし達の前に男の人が立った。
あたしは目が覚めても部屋でボーっとしていた。
部屋をノックしてお母さんが入ってきた。
「うらら、そろそろ準備しないと間に合わないよ」
黒のパンツスーツを渡された。
JRに乗って、あたしは久々に故郷に戻った。
ユキが教えてくれた斎場はちょっとわからなかったから、タクシーをつかまえて
行き先を告げた。
タクシーの運転手は懐かしいこの街ならではの方言であたしに話しかけてきた。
「お通夜かい?」
「そうです・・・」
あたしは窓の外をぼんやり見ていた。
「悲しい時はちゃんと泣いた方がいいよ」
「そうですよね・・・、でも、あたし信じてないから。実感がないんです」
そう言ってるうちに斎場に着いた。
斎場の前であたしはヒロの名前で通夜、告別式と書いた看板を見た。
香典を渡して記帳していると、肩を叩かれた。
西だった。
「あ・・・、久しぶり」
あたしが言うと「久々だな」と西は言った。
「お前、女子大生なんだって?」
ロビーの椅子に並んで座った。
「西は?今、何してるの?」
「オレ、神奈川で仕事してるんだ」
「そう・・・」あたしはやっぱりぼんやりしながら言った。
「斎場、先に見るか?遺影とか」
会場の入り口を指差して西は言った。
あたしは首を振って「始まってからでいい」と言った。
そんなあたし達の前に男の人が立った。