深海から見える灯【完全版】
あたしはちょっとした事で錯乱するようになっていた。
病院に数年かかっているのにちっともよくならない。
むしろ悪化していく一方だ。
ちょっとした事でヒステリックになり、今回のように手首を切ったり薬を大量摂取したり、救急病院に運ばれるのが頻繁に起こる。
病院でいくら状況をしても、おじいちゃん先生は
「そういう時もあるんだよ」
と笑顔で言うだけだ。
病院に対して、あたし自身は不信感はないけど、家族が「病院変えてみたら?」と言う。
あたしのこういう姿を見る恋人だって、精神的な疲れが相当溜まっている。
だから頻繁にケンカをする。
まるで悪循環だ。
ある日、精神的に落ち着いてる時に恋人が言った。
「うらら、ヒロくんのお墓参りに行かない?」
「え?」
あたしが聞き返すと恋人は笑顔で言った。
「前にうららがヒロくんに紹介したいから、お墓参りに一緒に行きたいって言ってくれだじゃん。あれ、結構嬉しかったんだよ」
同郷の恋人はヒロの事を何も知らない。
でも、あたしがヒロに対してどれほど思っているかは知っている。
こんな精神状態のあたしなんて、いつ恋人に別れを告げられてもおかしくないと思っていた。
「一緒に行ってくれるの?」
あたしは恋人の言葉が嬉しかった。
「まだ、紹介されてないからね」
大事な彼をヒロに紹介したい。
それはあたしがずーっと思っていた事だった。
病院に数年かかっているのにちっともよくならない。
むしろ悪化していく一方だ。
ちょっとした事でヒステリックになり、今回のように手首を切ったり薬を大量摂取したり、救急病院に運ばれるのが頻繁に起こる。
病院でいくら状況をしても、おじいちゃん先生は
「そういう時もあるんだよ」
と笑顔で言うだけだ。
病院に対して、あたし自身は不信感はないけど、家族が「病院変えてみたら?」と言う。
あたしのこういう姿を見る恋人だって、精神的な疲れが相当溜まっている。
だから頻繁にケンカをする。
まるで悪循環だ。
ある日、精神的に落ち着いてる時に恋人が言った。
「うらら、ヒロくんのお墓参りに行かない?」
「え?」
あたしが聞き返すと恋人は笑顔で言った。
「前にうららがヒロくんに紹介したいから、お墓参りに一緒に行きたいって言ってくれだじゃん。あれ、結構嬉しかったんだよ」
同郷の恋人はヒロの事を何も知らない。
でも、あたしがヒロに対してどれほど思っているかは知っている。
こんな精神状態のあたしなんて、いつ恋人に別れを告げられてもおかしくないと思っていた。
「一緒に行ってくれるの?」
あたしは恋人の言葉が嬉しかった。
「まだ、紹介されてないからね」
大事な彼をヒロに紹介したい。
それはあたしがずーっと思っていた事だった。