Black★Joker【完結】
「で、女助けたのか?お前にしては珍しいな」
「だろー?自分でもよくわかんねぇの」
「その女、お前の好きなタイプだったんだろ?」
「あー……、よく顔見てねぇや」
俺はフィルター近くまで吸った煙草を灰皿にグリグリと押し付けた。
「じゃあ、もう帰るわ」
「お前、川上の話をするためだけに来たのか?」
「違う。俊平に会いたかっただけ」
ふざけてそう言うと、俊平は俺に煙草の空き箱を投げつけた。
「帰れ。今すぐ帰れ」
「おい、冷てぇな。俊平が心配できてやったのによ」
俺は本気で嫌がる俊平に苦笑いを浮かべると、部屋を後にした。