Black★Joker【完結】
「昨日、道でバッタリ会ったの。映画観に行ったりして……何となく流れで付き合うことになってさ」
「……そうなんだ。よかったね」
少しだけ照れ臭そうに話す美空。
流れでなんて言っているけど、僕は知っていたよ。
美空が龍馬のことを好きだって。
美空の全身からは幸せオーラが滲み出ていて。
僕は言葉とは裏腹に素直に喜べなかった。
「あたし、優に一番先に報告したかったんだ!!あたしにとって優はすごく大切な存在だから」
サラッと残酷なことを言う美空。
美空の大切な存在になれたのは嬉しい。
でも、美空は僕をいつだって幼馴染以上には見てくれないんだよね。
それでもいいと思っていたけど、やっぱり悲しいものだ。
僕は思わずギュッと唇を噛んだ。