Black★Joker【完結】
「お願いです!誰か助けて!!」
好奇心が掻きたてられて声のする方に足を進めと、
「テメェ、騒ぐんじゃねぇよ!!一万なんて安いもんだろ?」
人気の少ない公園の入り口で数人の男が何やら言い争っていた。
「そんな……肩が少し当たっただけじゃないですか!それにぶつかったのはそっちで慰謝料なんて……――」
「ハァ?!テメェからぶつかってきたんだろーが!!違うか?!」
「いや、違わなくはない……ですけど、でも一万なんて……」
一人の気弱そうな高校生を捕まえて、二十代前半と思われる二人組の男が声を荒げている。
何だ、カツアゲか。
つまんねぇの。
興味の惹かれなかった俺が男達の横を通り過ぎようとした瞬間、
「お願いです!助けてください!!」
捕まっていた高校生が大声でそう叫んだ。