Black★Joker【完結】

「お願いです!誰か助けて!!」


好奇心が掻きたてられて声のする方に足を進めと、


「テメェ、騒ぐんじゃねぇよ!!一万なんて安いもんだろ?」


人気の少ない公園の入り口で数人の男が何やら言い争っていた。


「そんな……肩が少し当たっただけじゃないですか!それにぶつかったのはそっちで慰謝料なんて……――」


「ハァ?!テメェからぶつかってきたんだろーが!!違うか?!」


「いや、違わなくはない……ですけど、でも一万なんて……」


一人の気弱そうな高校生を捕まえて、二十代前半と思われる二人組の男が声を荒げている。


何だ、カツアゲか。


つまんねぇの。


興味の惹かれなかった俺が男達の横を通り過ぎようとした瞬間、


「お願いです!助けてください!!」


捕まっていた高校生が大声でそう叫んだ。





< 13 / 381 >

この作品をシェア

pagetop