Black★Joker【完結】
それなのに、何のためにうちにやってきたんだろう。
あたしが小さい頃は、家族ぐるみで付き合っていたからよく互いの家を行き来していた。
お菓子作りが趣味のおばさん。
おばさんの作ってくれたクッキーを優と一緒に食べたっけ……。
でもいつからかおばさんはうちに来なくなった。
いつからかな……?
そうだ、確かあたしと優が中学に入学する前くらいから。
……あれ?
優が変わり始めたのも……確かそのぐらいから。
優が友達をつくらない理由ってまさか……――!!
「優君のお母さんね、美空に聞きたいことがあるんですって」
「……あたしに聞きたいこと?」
お母さんの声でハッと我に返ったあたしは、おばさんに視線を移した。