Black★Joker【完結】
「……?」
それは俺に向けられた叫びのようで。
「助けてください!!」
高校生に目を向けた俺は思わず顔を歪めた。
ポロポロと涙を流してすがる様な瞳で俺を見ている気弱そうな男。
その女々しい姿に全身に鳥肌が立った。
なんだこの女みたいな男は。
「お前泣いてる暇あんなら、早く逃げろよ」
「無理です……早く助けて……!」
「何だ、お前。俺を勝手に巻き込むな」
俺が突き放すと男は声を上げてワンワンと泣き出した。