Black★Joker【完結】
「お前、ちょっと外見気にすればすげぇイケメンになれるかもよ?」
「何か……その台詞を龍馬に言われると嫌味にしか聞こえないんだけど」
ラーメンを食べ終えたメソ男は口をティッシュで拭いながら恨めしそうな目を俺に向ける。
……なんだその目は。意味分かんねぇ奴。
「つーか、興味あるのに何でやんないわけ?ピアスなら俺が特別大サービスで1000円で開けてやろう」
「いいよ。僕は今のままで」
「お前なぁ、やりたいことあんならやればいいじゃん。今やんないでいつやるんだよ。それとも何?ママに怒られちゃうとか?」
「別にそんなんじゃ……」
「何?図星?親の言うこと一から百まで聞いてたら、何もできないだろ?」
「……もうこの話はやめよう」
メソ男の顔から次第に笑顔が消えていく。
……俺、なんかマズイこと言ったか?
でもメソ男の反応からして、そういうことなんだろう。
「今日は俺が特別におごってやろう」
俺はスッと立ち上がって伝票片手にレジに向かった。