Black★Joker【完結】

「龍馬、ありがとう」


店を出ると、メソ男は小さく頭を下げた。


「別にー。俺、実はお前より先輩だからな」


「先輩には思えないけどね」


「うるせぇな。タメ語つかうな!敬語遣え!!龍馬様と呼べ」


「はいはい、分かりましたよ。龍馬様」


メソ男は呆れたようにクスッっと笑う。



なんだよ。もう機嫌なおったのか。


ったく、浮き沈みの激しい奴。


まぁ俺も人のこと言えねぇけど。




「腹も膨らんだし、そろそろ帰るかー」


そう言いながらポケットの中の携帯に手を伸ばす。


バイト終わったし、美空に連絡するか。


「龍馬からメールがくると嬉しいんだ」


嬉しそうにそう言っていた美空の顔を思い出す。


煙草をくわえながら携帯を弄っていると、煙が目に入ってしみた。


思わず目を細めると、視界がぼんやりと曇る。


「あー……、最悪」


『メソ男とらー』までしか打っていなかったのに、ディスプレイには≪送信しました≫と表示されている。




< 150 / 381 >

この作品をシェア

pagetop