Black★Joker【完結】
「神谷、また会ったな?」
「俺はお前に二度と会いたくなかったけど」
川上は俺達の前でピタリと立ち止まる。
「そんなこと言うなよ。で、そいつお前のツレか?随分可愛いじゃねぇか」
「あー、メソ男?そう。可愛いだろ。お前ら手出すなよ」
「メソ男?」
川上はメソ男を上から下までジロジロと舐めるように見つめてニヤリと笑った。
その笑みに悪意が含まれていることに気付き、メソ男に耳打ちする。
「メソ男、いいか?お前は真っ直ぐ家に帰れ。できるだけ人の多い場所を選ぶんだぞ」
「でも……龍馬は……?」
「お前に心配されなくても大丈夫。とにかくお前は邪魔だ。一刻も早く帰れ」
メソ男の目に不安の色が浮かんでいる。
「早くしろって言ってんだろ」
俺がボソッと呟くと、メソ男は渋々頷いて駆けだした。