Black★Joker【完結】
「僕にはバイクに乗る様な友達なんていないよ?母さんも知ってるよね?」
「知ってるわ。そんな不良と優が一緒にいるわけないのも分かってる。だから心配なのよ」
「何が?」
「その不良に脅されたりしてるんじゃないかって。お母さんはね、あなたが……――」
「……――母さん」
僕は母さんが言い終わる前に言葉を遮った。
「心配することは何もないよ」
「本当に……?」
「本当だよ」
僕はそう言うと、母さんにニコッと笑い掛けた。
その笑みを真っ正面から見ることができない。
「明日の予習したいから」
「そう、頑張ってね」
「うん。ありがとう」
今の表情を悟られないように顔を背けながら階段を駆け上がる。
僕は部屋に飛び込むと、後ろ手で勢いよく扉を締めた。