Black★Joker【完結】

「……何これ?」


クシャクシャになった紙切れを広げると、一万円札であることが分かった。


ヤベェ、三枚もあるじゃねぇか。



「おぉ!!今日は焼き肉……――」


って……喜んじまったじゃねぇか!!


「やっぱりいらない」


俺は万札を手で綺麗に伸ばすと、おばさんに押し返した。


「足りないのね?いくら欲しいのかしら?」


「別に足りなくないから。俺にしたら十分すぎるほどだし」


「それなら……――」


ホッとしているところ悪いけど、俺、物凄く物分かりが悪いんだよ。



「いくら積まれても、俺またここに来ますよ?」


ニッと笑う俺におばさんは嫌悪感を露わにする。
< 188 / 381 >

この作品をシェア

pagetop