Black★Joker【完結】
「……何これ?」
クシャクシャになった紙切れを広げると、一万円札であることが分かった。
ヤベェ、三枚もあるじゃねぇか。
「おぉ!!今日は焼き肉……――」
って……喜んじまったじゃねぇか!!
「やっぱりいらない」
俺は万札を手で綺麗に伸ばすと、おばさんに押し返した。
「足りないのね?いくら欲しいのかしら?」
「別に足りなくないから。俺にしたら十分すぎるほどだし」
「それなら……――」
ホッとしているところ悪いけど、俺、物凄く物分かりが悪いんだよ。
「いくら積まれても、俺またここに来ますよ?」
ニッと笑う俺におばさんは嫌悪感を露わにする。