Black★Joker【完結】
「あのさ俺、邪魔なら帰るけど?」
龍馬はあたしと涼子の顔を交互に見てポリポリと頭をかいた。
……何か変な雰囲気になっちゃったな。
あたしはただ龍馬と涼子に仲良くなって欲しいだけなのに。
世界一大好きな彼氏と世界一大切な親友が仲良くなってくれたらこれ以上の幸せはないのに。
すると、涼子は強行突破を試みた。
学校指定のバッグを肩にかけて勢いよく椅子から立ち上がる。
「あたし、もう帰るから」
「いや、いいよ。俺が帰るって。元々二人で遊ぶ予定だったんだろ?」
「いえ、いいんです!!」
「いやいやいや、俺が帰るから」
涼子に続いて椅子から立ち上がった龍馬。
でも二人はどちらも譲ろうとしない。
そういえば、涼子って昔から頑固者だったもんね。
こうと決めたら絶対に曲げないところがあって。
なんだか龍馬と気が合いそう。
どっちが先に折れるかな?
あたしは二人のやりとりをクスクス笑いながら見守った。