Black★Joker【完結】
「今すぐ行くからそこで待ってろ」
え……?今すぐ行くって……どこに?
あたしが口に出すより先に、携帯をパタンっと閉じた龍馬は「美空、悪い」とパチンと両手を合わせて謝った。
「急用が入っちゃってさ」
「急用って……?何があったの?」
「ごめん、とにかく急ぎなんだ。この続きはまた今度な?」
「……うん」
あたしが身支度を整えている間、龍馬は何故かずっと険しい表情を浮かべていた。
あの電話は誰からだったんだろう。
そんなことを頭の中の片隅で考えながら、あたしは慌てて身支度を済ませた。
「家まで送ってくから」
慌ただしく龍馬の家を出て渡された黒いヘルメットを被る。
単車にまたがると、龍馬は力強くペダルを蹴った。