Black★Joker【完結】
メソ男は待ってましたとばかりに全速力で走りだす。
こいつ……ナヨナヨしてる割りに足が速い。
というか、案外度胸がある。
足をもつれさせて転ぶのを心配していたけど、スタートダッシュはなかなかなものだった。
「……あいつを逃がしてどうするつもりだ?」
「さぁね?どうしようかな」
俺はポケットの中から取り出した煙草に火を付けながら首を傾げた。
すると、遠くの方からメソ男の叫び声がした。
「……龍馬……!!どうして逃げないんだよ!!」
それがメソ男の叫び声であると気付いたけれど、俺は無視を決め込んだ。