Black★Joker【完結】
龍馬に借りていたAVを返しに来たとでも言えば、龍馬は快く受け入れてくれると思っていた。
でも、僕のそんな甘い考えがこの状況を生んでしまった。
「お前、神谷の知り合いだろ」
カラオケBOXの前にいた川上という男は僕を見るなり、音もなく近付いてきた。
そして僕の頬を殴り付けるとニヤリと笑った。
無理矢理携帯を奪われてこの公園まで連れてこられて……
「龍馬……」
僕は奥歯をギュッと噛み締めると、近くに落ちていた傘を手に取った。
傘を持つ手がブルブルと震えて動悸が激しくなる。