Black★Joker【完結】

「……いてぇよ……。何で俺のこと殴ってんだよ」


龍馬はこめかみから流れる真っ赤な血を指先で拭うと僕をギロッと睨んだ。


「傘なんて危ないもん振り回すんじゃねぇよ。靴下に砂入れて振り回せばこいつらごときすぐ倒せるだろーが」


靴下に砂を入れると……武器になるもの?


って、そうじゃない!


「……龍馬、ゴメン!!大丈夫だった?!」


僕は持っていた傘を放り投げると、しゃがみ込んで龍馬の顔を覗き込んだ。



「大丈夫じゃない、全然ダメ。かなり最悪」


「そうだよね……顔も腫れてるし……」


「何ふざけたこといってんだよ。お前が傘でぶったたいた部分が一番いてぇんだよ!!」


龍馬はその後、小声で「バカ野郎!何で逃げなかったんだよ」と付け加えた。




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