Black★Joker【完結】
「龍馬……」
恐る恐る声をかけると、龍馬はゆっくりと顔を上げて力なく微笑んだ。
「俺、顔ヤバくね?美空に嫌われるかも」
「……美空は……そんなことで龍馬を嫌いになんてならないよ」
「だよなー……」
龍馬の赤く腫れている顔を見ていると目頭が熱くなって、慌てて唇を噛んだ。
こんなところで泣いてちゃだめだ……。
「俺、手出さなかったから。喧嘩はしたけど、まだお前の友達だろ?」
僕の横を通り過ぎる時、龍馬はニッと笑った。
「……龍馬……」
やっぱりダメだ。我慢できない……。
その言葉を耳にした瞬間、自然と頬に大粒の涙が伝った。