Black★Joker【完結】
「なぁ、兄ちゃん。ここまで一方的にやられたことある?」
「ない」
「ですよねー……」
俺はベッドから立ち上がると、部屋の隅にある姿見で自分の姿を確認した。
顔全体が赤く腫れていて、切り傷が沢山ある。
こめかみから流れ出た血は固まって前髪と絡み合っている。
あいつ、わざと見えるところを集中的に狙いやがったな。
川上の陰湿さに虫唾が走る。
それと同時に悔しさが一気に込み上げてきた。