Black★Joker【完結】
兄ちゃんがいなくなり部屋の中はシーンっと静まり返った。
静寂が訪れた途端、気が抜けて全身の傷がズキズキと痛みだす。
「あー……、マジいってぇ……」
プライドを捨てるのがこんなにも痛いものだなんて知らなかった。
川上達に殴られて蹴られて。
抵抗することもやり返すこともできないあの状況はしんどかった。
でも……メソ男が傘を振り回して川上達に向かっていった時、自分のプライドなんてどうでもよくなっていたのかもしれない。
初めて会った時、助けを求めてメソメソ泣いていたあいつ。
でも今は違う。