Black★Joker【完結】
「俺さ、最近おかしくなっちまったんだよ」
「何が……?」
あたしがそう聞き返すと同時に、腕をグイッと引っ張られた。
その拍子であたしは龍馬の胸の中にすっぽりと包みこまれる。
「今までは自分が一番だったんだよ。なのに最近じゃ自分よりも大切にしたい奴ができてさ」
「自分よりも大切にしたい……?」
「そう。最近、自分のことよりもそいつのことばっかり考えてる」
龍馬の吐息が耳にかかって、思わず体をビクッとさせる。
龍馬はクスッと笑いながらあたしの髪に指を通して優しく撫でた。