Black★Joker【完結】
家に着く少し前、携帯に知らない番号から着信があった。
不思議に思ってかけ直すと、電話口から耳に届いたのは低くドスのきいた男の声だった。
「俺のことが分かるか?」
その声に聞き覚えがあった僕は思わず携帯を落としそうになった。
「川上……なのか?」
「よく分かったな」
「僕に何か用かな……?」
「強がってるわりに、声が震えてるぜ?」
電話口の向こうで川上はケラケラと僕を嘲笑っているようだった。
「今から出てこいよ?この間の公園で待ってるからよ」
「今から……?」
「そうだ。神谷に言ったらただじゃおかねぇからな。一人で来いよ」
「そんな急に……――!!」
僕が言い終える前に、川上は一方的に電話を切った。