Black★Joker【完結】
「ついてこいよ」
痺れを切らしたのか、金髪男はあたしの腕をガシッと掴む。
本気でヤバいかも。
危険な状況に、頭の中でサイレンが鳴り響く。
……早く逃げなきゃ。
「離してください!!」
「騒ぐな。静かにしてれば悪くはしねぇから」
「……やっ!」
男の生暖かい息が耳元にかかり体がぶるっと震えあがる。
だけど、逃げようにも男に力で敵うわけない。
近くを歩いている人達は、「関係ない」という顔をしてあたし達の横を通り過ぎていく。