Black★Joker【完結】
あたしが手を振り払ったから……怒ったの?
ううん、違う。龍馬は怒ってなんかいない。
「美空を頼むわ」
「おい……龍馬!!僕のことは気にしなくていいんだ!!だからバカな真似……――」
「おばさんにも伝えといてくれ。全部俺のまいた種だし、自分で何とかするからって」
龍馬は優に微笑みかけると、一度も振り返ることなく病室から出ていった。
あたしはその様子をただ黙って見守るしことしかできなくて。
泣き叫んですがりつけば、龍馬は出ていかなかった?
ううん、きっと出ていったはず。
龍馬はそういう人だ。
自分の気持ちに正直で、我が道を行く龍馬……
あたしはそんな龍馬が大好きなんだ。