Black★Joker【完結】

あたしが手を振り払ったから……怒ったの?


ううん、違う。龍馬は怒ってなんかいない。



「美空を頼むわ」


「おい……龍馬!!僕のことは気にしなくていいんだ!!だからバカな真似……――」


「おばさんにも伝えといてくれ。全部俺のまいた種だし、自分で何とかするからって」


龍馬は優に微笑みかけると、一度も振り返ることなく病室から出ていった。


あたしはその様子をただ黙って見守るしことしかできなくて。


泣き叫んですがりつけば、龍馬は出ていかなかった?


ううん、きっと出ていったはず。


龍馬はそういう人だ。


自分の気持ちに正直で、我が道を行く龍馬……



あたしはそんな龍馬が大好きなんだ。






< 324 / 381 >

この作品をシェア

pagetop