Black★Joker【完結】
だけど一瞬でも、龍馬を疑ってしまったのは事実で。
龍馬の拳が震えていた理由を、今になってようやく悟った。
「……龍馬……ごめんね」
病院の入り口を抜けて、裏手にある駐輪場に向かう。
かすかな明かりがあるだけで、よく目をこらさなければ転んでしまいそうだ。
ゆっくりと一歩一歩踏みしめながら、駐輪場を目指して歩き続けていると突然目の前に人影が現れた。
「お前、神谷の女だな?」
「……誰?」
驚いて顔を上げると、金髪の男がニヤリといやらしく笑う。
その男の笑顔にピーンッときたあたしは思わず顔を歪めた。