Black★Joker【完結】
「龍馬?!どうした?何かあった?」
トイレの前で電話をかけ直すと、龍馬はすぐに出た。
「美空、いつ病院出た?」
「えっと……多分15分前くらいかな……?いや、10分……」
母さんと入れ替わりに美空は病室を出ていった。
僕がそう答えると、龍馬は「分かった」と一言残してすぐに電話を切った。
まさか……美空に何かあったんじゃ……。
嫌な予感がして、美空の名前を電話帳から探しだして電話をかける。
≪プルルルル~♪~~♪≫
でも、機械的な呼び出し音がするだけで美空は電話に出ない。
「どうしたらいいんだ……」
情けないけれどこんな体じゃ、美空を探しに行くこともできない。
望みの綱は龍馬だけ。
……龍馬……頼む。美空を……絶対に見つけ出してくれ。
僕は携帯をギュッと握りしめてその場に立ち尽くした。