Black★Joker【完結】

「龍馬?!どうした?何かあった?」


トイレの前で電話をかけ直すと、龍馬はすぐに出た。


「美空、いつ病院出た?」


「えっと……多分15分前くらいかな……?いや、10分……」


母さんと入れ替わりに美空は病室を出ていった。


僕がそう答えると、龍馬は「分かった」と一言残してすぐに電話を切った。



まさか……美空に何かあったんじゃ……。


嫌な予感がして、美空の名前を電話帳から探しだして電話をかける。


≪プルルルル~♪~~♪≫


でも、機械的な呼び出し音がするだけで美空は電話に出ない。


「どうしたらいいんだ……」


情けないけれどこんな体じゃ、美空を探しに行くこともできない。


望みの綱は龍馬だけ。



……龍馬……頼む。美空を……絶対に見つけ出してくれ。



僕は携帯をギュッと握りしめてその場に立ち尽くした。
< 337 / 381 >

この作品をシェア

pagetop