Black★Joker【完結】
俺は急いで音のする方に足を進める。
すると、暗闇の中でうごめく黒い影に気がついた。
「……テメェ……覚悟してろよ」
美空の口を手で塞いでいる川上の姿を目でとらえた瞬間、全身の血が一気に頭に逆流した。
「……チッ。もうバレちまったか。ずいぶん早かったな」
川上は余裕たっぷりの笑みを浮かべて美空から手を離した。
「……ッ……龍馬っ……!!」
「美空……ごめんな。大丈夫か?」
泣きながら俺の元に駆け寄ってきた美空をギュッと抱きしめる。
その間にも、川上とその仲間はジリジリと俺達に迫ってきた。