Black★Joker【完結】

『俺、美空のことすげぇ好きだから』


俺の気持ちが分からないって美空は心配していたから、ちゃんと伝えておきたかった。


だけど、その言葉を伝えることはできないかもしれない。



「……美空!!逃げろ!!!」


川上の他に男が二人。


このままじゃ、美空を人質にとられてしまう可能性がある。



「……や、やだよ!!」


顔を強張らせて首を左右に振る美空の肩を押して「早く行け!!」と命令すると、美空は小さく頷いて走り出した。


そうだ、それでいいんだ。



「川上……俺は俊平と違って優しいから、歯を折るのだけはやめてやるよ」


俺は今までの怒りを込めて、川上の顔面に拳をぶつけた。