Black★Joker【完結】
俺は今までこんな奴にコケにされていたのか。
歯抜けの川上は力的には大したことがなくて。
金属バットを奪うと川上はなすすべを無くし、地面に尻餅をついて「許してくれ!!」と叫んだ。
「……ダサッ。やってらんねぇよ」
「つまんねぇ……もう帰ろうぜ?」
川上のあまりに無残な姿に嫌気がさしたのか、一緒にいた男2人は示し合わせるように姿を消した。
「許してくれ?お前、よく言うよなぁ」
金属バットを川上の頭の上にかざすと、川上は目にいっぱいの涙を浮かべた。
「俺達がお前のせいでどんだけの被害を被ったか分かってんのか?」
「……それは……」
「お前の前歯を折ったのは俊平だろ?それなのにどうして俺にちょっかい出してくんだよ」
「……頼む、許してくれ!!」
「なぁ、このバットで頭叩いたら、かち割れると思う?」
ポンポンっと川上の頭の上で金属バットをバウンドさせる。
「……ひいっ……――」
口の端をクイッと持ち上げて笑うと、川上は正座しながら小刻みに震えた。