Black★Joker【完結】
「ねぇ、優。黙ってないでなんとか言ってよ?」
「もうすぐその理由が分かるよ」
「……ちょっ……優、どこに行くの?」
優はいつもの通学路を外れて、学校とは反対の方向へ歩いていく。
「たまには、学校サボっちゃう?」
「……優……」
サボるなんて言葉が優の口から出るなんて。
だけど、こんなに天気が良い日に学校に行くのはちょっぴりもったいない。
「今日はサボっちゃおう」
あたしは大きく頷くと、優の背中を追いかけた。
「……ここって……」
しばらく歩くと、見慣れた一軒家が視界に飛び込んできた。
龍馬の家の前でピタリと立ち止まると、優は優しく微笑む。
「入ろうか?」
「でも、龍馬はいないよ?あたし何度もきたんだもん……」
「入ろう」
優はあたしの手をギュッと握ると、チャイムを鳴らした。