Black★Joker【完結】
……龍馬、絶対あの子の胸見てる。
胸元が大きく開いた服を着ている女の子。
背の高い龍馬の目線から、女の子の谷間はよく見えるはず。
……なんかすごいムカツク。
「あの、今日誰と来てるんですか?よかったら一緒に……――」
すると、突然顔を上げた龍馬とバチッと目があった。
「ごめん、彼女いるから」という答えを待ち望んでいたあたし。
ちょっ……何で笑ってるの?!
でも龍馬はあたしをジーッと見つめながら口の端をクイッと上に持ち上げた。
結局、その一件で映画を楽しむ気持ちが半減してしまった。
映画館を出ても、あたしの腹の虫はおさまってくれない。
「みーそーらちゃん、何でそんなに怒ってんの?」
「……言わなきゃ分かんない?」
「分からない。全然分からない」
ふざけ半分の龍馬をキッと睨むと、龍馬は気まずそうに頭をかいた。