Black★Joker【完結】
「俺はこいつらの仲間じゃないから」
「……神谷……――!!」
金髪男は突如現れたイケメンの存在に気を取られて、あたしの腕をパッと離した。
「神谷……俺が誰か分かるか?」
「ハァ?お前なんて知らねぇよ」
金髪の男は男の子の前に歩み寄ると、彼の胸ぐらを掴んだ。
「……んだよ。ウゼェな」
でも、男の子はボソッと呟きながらすぐにその手をパッと振り払った。
「……俺達の邪魔するんじゃねぇよ」
「邪魔する気はない。ただ、無理矢理ってどうなの?そんなに女に困ってんの?」
どうもこの人たちは、知り合いのようだ。
今が逃げるチャンスかも。
両手でカバンを胸に抱きしめて、男達の隙を伺う。
でもその必要はなかったようで。
しばらく3対1で睨みあった後、金髪男は唇をギュッと噛みて、悔しそうに地面に唾を吐いた。
「神谷……てめぇ、覚えてろよ!」
「唾吐くんじゃねぇよ!俺の靴につくだろーが!」
って、怒るところちょっと間違ってない……?
神谷と呼ばれていたイケメンは、露骨に顔を歪める。
「……クソっ!!」
金髪の男はイケメンをギロッと鋭い目で睨み付けると、クルッと向けを変え足早にその場を後にした。