Black★Joker【完結】
正直、僕には友達と呼べる人がいない。
だからこそ、美空の「友達と一緒にバイト」という言葉の意味を理解できなかった。
学校では常に一人でいるし、美空が学校を休めば丸一日誰とも口をきかない日だってある。
昼休みは本を読んで過ごし、休み時間にはその日の予習をする。
そんな僕に友達なんてできるはずがない。
だけど美空は言った。
「龍馬が言ってたの。優と友達だって」
あいつがそんなことを……?
驚きよりも嬉しさが勝った気がして。
「友達」と思ってくれる人がいた。
「友達」と呼んでくれる人がいた。
龍馬にそんな気はなかったしても、それが嘘だとしても。
僕は単純に嬉しかった。