Black★Joker【完結】
「別に童貞だからって恥ずかしがることじゃねーだろ」
「恥ずかしがってなんかいないけどさ……」
童貞であることをバカにされると思っていたのに、龍馬の反応は案外呆気ないもので。
僕は腕を組んで何やら考え込んでいる龍馬の顔をチラッと見た。
「……そうだ!俺すげぇいいこと思い付いたんだけど!お前、今日うち来いよ?」
「え?龍馬の家?」
「そうそう。いい物貸してやるよ」
さっきまで僕が童貞かどうかの話をしていたのに、龍馬は全く違う話を始めた。
どんだけマイペースなんだよ。
心の中で突っ込みを入れつつ、いい物が何であるか興味の湧いた僕は「うん」っと素直に頷いた。