Black★Joker【完結】
「どうして嘘をつくの?バイクに乗って帰ってきたでしょ?」
「だから、違うって。僕じゃないよ」
そう反論してみても、母さんの目から疑いの色が消えることはない。
家から少し離れた場所で降ろしてもらえばよかった。
深夜の閑静な住宅街でバイクのエンジン音が響いてしまうことは分かり切っていたのに。
僕の考えは甘かったようだ。
「こんな時間まで優を引っ張り回すなんて。もうあの子とは付き合っちゃだめよ?」
「だから……――」
「いい?分かったわね?」
母さんは幼い子供をあやすような優しい声で僕にそう言った。
耳を塞ぎたくなる。
「いい加減にしてくれ!」
そう叫んでしまいたくなる。
だけど……