Black★Joker【完結】
第二章
エッチのお誘い 龍馬サイド
【龍馬サイド】
土曜日の昼過ぎ。
俺は俊平の部屋にDVDを抱えてやってきた。
「……これだけ?本当に全部持ってきたんだろうな?」
「当たり前だろ。約束したんだし」
「約束だと?俺は単車を貸した日から一週間以内に持ってこいって言ったんだ。それがもう一カ月近いじゃねぇか」
「それは色々事情ってもんがあんだよ」
どうやったら、お気に入りのDVDを俊平に渡さずに済むか考えてたんだよ!!
「お前の目が嘘臭い」
「バカ!この目は生まれ付きなんだよ。嘘臭いなんて言うんじゃねぇ」
「へぇ……」
俊平は疑いながらも、渋々DVDを受け取った。
「じゃあ、俺もう用済んだし帰るわ」
「何か用事でもあんのか?ずいぶん慌ててるようだけど」
そそくさと帰ろうとする俺に俊平は疑いの眼差しを向ける。
ヤバい、このままじゃバレちまう。
こいつは案外鋭い奴だ。
「まぁ、ボチボチ。じゃあな」
俺はヒラヒラと手を振ると、急いで俊平の部屋を飛び出した。