《完》極上☆SWEETS!! 〜愛しのショコラ・プリンス〜
驚きのあまり声も出ない
あたしを引っ張って、爽介は
迷うことのない足取りで、
駅の方に進んでく。

行き先は決まってるのかも
しれない。


南新宿エリアに入った辺りで、
あたしはようやく落ち
着きを取り戻して。


信号待ちで立ち止まったのを
機会に、ずっと握られてた
右手を、力いっぱい振り
ほどいた。


「ちょっと、いい加減離して!」


急に騒ぎ出したあたしに、
爽介はちょっとビックリ
したように目を丸くしたけど。


もう一度引っ張ってこうって
つもりはないみたいで、
怒ったみたいにフイッと
顔を背けて、


「お前がおとなしく着いて
こよーとしねーからだろ」


そんなことを言った。


「おとなしく着いて、って……

あのね。
コレ、誘ってるなんて状況
じゃないわよ?

人の返事も、都合も
聞かないで引っ張ってきて、
どーゆーつもりよ!?」


今まで、それなりにいろんな
男と付き合ってきたつもり
だけど、カレシからも友達
からも、こんなふうに
扱われるのは初めてだった。
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