《完》極上☆SWEETS!! 〜愛しのショコラ・プリンス〜
でも、さすがにそこは
わきまえてたみたいで、
爽介は当然のように
『もちろん』と頷いた。


はぁっ……それならまぁ、
いいでしょ。


「で、どこに行くの?

けっこう歩いた気するんだけど」


「もう着くよ。この交差点
渡ってすぐ」


爽介は右手の親指でクイ
クイッと信号の先を指さした。


ちょうどそのとき信号が
青にかわって、爽介は人の
流れに沿うように歩き出す。


あたしはその2,3歩後ろを、
彼の背中を見ながら、
黙ってついてった。


……今さらになって
気づいたけど。

あたし、爽介の私服姿を
見るのって、これが初めて
なんだよね。


いつも、コック服姿しか
見てないから――それが
普通のカジュアルな服に
取って代わると、けっこうな
ギャップ。


まあカジュアルって言っても
今日の爽介のカッコは、
シンプルな白のカットソーに、
ダークグレーのスキニーパンツ。

それにアクセントで、首に
パープル系の短いストール
っていう、どっちかって
いうとモード系スタイル
なんだけど。
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