《完》極上☆SWEETS!! 〜愛しのショコラ・プリンス〜
「あ、ご、ゴメン」


しっかりするのよ、あたし!


爽介がイイ男だったって、
それは見た目だけの話
なんだから。


ちょっと飲みに誘われた
くらいでドキドキしてるのが
バレたら、よけいバカに
されちゃう。


あたしは気を取り直して、
バッグの肩紐を握る手に
ギュッと力を込めると、
爽介に続いて地下へと続く
階段を降り始めた。



狭いドアを開けて中に入ると。


そこは、青い光が空間を
満たす、落ち着いた感じの
バーだった。


薄暗い照明が全部、青い
フィルムでおおわれてるんだ。


それに、店の中心にかなり
大きな水槽があって、中を
色んな色の熱帯魚が泳いでる。


なんか、海の底にいる
みたいな錯覚を覚える店だった。


「よぉ、久しぶりじゃんか」


カウンターでグラスを
磨いてた若いバーテンが、
爽介に気づくとパッと明るい
顔になって声をかけてくる。


「あぁ、ごぶさた。

ちょっと忙しくってさ」
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