《完》極上☆SWEETS!! 〜愛しのショコラ・プリンス〜
――覚えてたんだ


それを言われると、もぉ
何も言い返せない。


でもね。

あたしは別に、親しみを
込めてそんなふうに呼んでる
わけじゃないわよ?


「だって、最初に貢がそう
呼んでるの聞いたし。

それで印象付いちゃっただけよ」


「どーでもいいよそんなの。

ま、これで名前は覚えて
やったから」


爽介はホントにどうでも
よさそうに言って、運ばれて
きたパスタを食べ始めた。


はぁ。

なんかあたし一人でわめき
立てて、バカみたい。


もういいや。とりあえず
あたしもご飯食べよ。

正直、お腹はすいてるし。


そう決めて、フォークと
スプーンを手に取ったとき。


爽介が、まるで世間話を
するみたいにサラッと、


「そーいやお前さ。

デザインの勉強してたって
言ってたけど――それって
フランス行ってたんじゃ
ねーの?」


あたしは思わずフォークを
落としそうになる。
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