《完》極上☆SWEETS!! 〜愛しのショコラ・プリンス〜
「てゆーか、誤解がある
ようだから言っとくけど。

あたし、もう別にデザインの
勉強とかしてないから」


この言葉は、爽介を
驚かせたみたいだった。


爽介は眉をひそめて、


「なんでだよ?」


と突っ込んでくる。


「り、理由なんてないわよ」


「んなわけないだろ!

なんで? こっちでも
続けりゃいーじゃん」


「おっ、大きなお世話よ!

どーしようと、あたしの
勝手でしょっ!?」


バンッ!!


まっすぐな爽介の瞳に、
それ以上耐えられなくて。


気づくとあたしは、両手で
カウンターを叩いて、
立ち上がってた。


とたん、爽介だけじゃなくて、
バーテンとか他のお客さん
とか、みんなの視線があたしに
集まるのを肌で感じる。


「バカヤロ……

はた迷惑だから座れ」


爽介が強引にあたしの
右腕を下に引っ張ったんで、
あたしはふらつくみたいに
してもう一度椅子に座った。


「ゴメン……」


爽介のなじみの店なのに、
迷惑をかけちゃったのはたしか。

だから、か細い声でだけど謝る。
< 114 / 384 >

この作品をシェア

pagetop