《完》極上☆SWEETS!! 〜愛しのショコラ・プリンス〜
向こうでの友達も、先生も。


パパだって、そんなこと
一言も言ってくれなかった。


むしろパパは反対派で、
あたしがデザインの勉強
することすら、本当は
認めてなかったし。


「まぁ、お前がどう思おうと
勝手だけどさ。

とにかく、お前がいなかったら
今日のあの試作品は
生まれてなかった。

それだけは間違いないん
だからさ。ちょっとは
自信持てって」


そう言うと爽介は、左手で
クシャクシャッとあたしの
頭を掻き回した。


おっきな掌。


そこから、爽介のあったかさが
あたしの頭に伝わってくる。


「やめてよ、
髪乱れるじゃん……」


しかも、普通は小さな子供に
することでしょコレ。


あたし、子供じゃないよ……。



爽介はあたしの髪から手を
離すと、正面に向き直って
何事もなかったような顔で
またジントニックを飲み始めた。


それ以上話を続けるつもりは
ないようで、再びあたし達の
間に沈黙が降りてくる。
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