《完》極上☆SWEETS!! 〜愛しのショコラ・プリンス〜
服とかコスメとかを、
ろくに見もしないで手当たり
次第に買ってって。


荷物も増えたしちょっと
疲れたんで、ビルの中に
あるラウンジみたいなとこで
休憩することにする。


好きな席に座っていい
みたいだったんで、居心地の
よさそうな席を探して
店内を歩いてると――、


「お、亜莉紗じゃん」


唐突に、聞き覚えのある
声があたしを呼んだ。


見ると、すぐ傍の4人掛けの
ソファ席に1人で座ってる
ヤツが、あたしを見てる。


――なんでよりにもよって……。


「おつかれ。昨日はサンキュな」


「どういたしまして。

サヨナラ」


即座に180度方向転換して
引き返そうとしたあたしの
ショルダーポーチが、
ビンッと引っ張られた。


「イミわかんねーって

お前、今来たとこだろーが」


「そーだけど、帰んのよっ。

カバン引っ張らないで!」


あたしはそいつ――爽介の
手からポーチを救出するべく、
爽介の腕に手を伸ばす。
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