《完》極上☆SWEETS!! 〜愛しのショコラ・プリンス〜
でも、爽介は器用に手首を
捻ってそれを避けると、
ポーチを離して今度は
あたしの手首をつかんだ。


「だから、そーゆー店の
迷惑になることはヤメロって。

ホラ」


そうして――奇しくも
あたしは、今日も爽介に
引っ張られて、彼の前に
座らされることになった。


「――って、なんでここ!?

座るにしたって別のとこ
行くわよっ」


「は? なんで?

1人じゃねーの?」


爽介は、あたしが反対の
手に提げてる紙袋の山を
目で示して尋ねてくる。


たしかに、誰かとの待ち
合わせの前にこんなに大量に
買い込むヤツはそういない。
1人だってバレバレ。


「ひとりで静かにお茶が
飲みたいのよっ」


言って立ち上がりかけた
あたしの前に、

『いらっしゃいませ〜♪』

とウェイトレスがすべるように
やって来て、水の入った
グラスを置いて去ってった。


「……………」


「ホラ、もうおとなしく
座っとけ。

ちょうどオレも今から
オーダーするから」
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