《完》極上☆SWEETS!! 〜愛しのショコラ・プリンス〜
「めんどくさいなぁ、もー」


お風呂も入って、部屋着なのに。
着替えなきゃなんないじゃん。


でも、昔からパパは
言い出したら聞かない。

行かなきゃまた後でエラそうに
コゴト言われるだけ。


あたしは渋々服を着替えると
部屋を出て、大階段を降りて
1階にあるパパの書斎に向かう。


両開きの重い扉を開けて中に
入ると、パパはスーツの
上を脱いだノーネクタイの
カッコでデスクに座ってた。


「オカエリ。話って何?」


笑顔も浮かべずに早口で
言って、『さっさと済ませて』
モード全開のあたし。


いつからかな、あたしの
パパへの態度がこんな
ふうになったの。


初等部の頃までは、まだ
素直でカワイイ娘だった
気がする。


でも、中等部にあがって
しばらくして……あたしが
ファッションに興味を持ち
出した頃から、徐々に
パパの態度が変わってきた。


あたしは一人娘だから。

パパの後を継いで女社長に
なるか、お婿さんをもらって
その人を社長にして、
あたしは会社役員として
旦那を支えるか。
< 141 / 384 >

この作品をシェア

pagetop