《完》極上☆SWEETS!! 〜愛しのショコラ・プリンス〜
「まだ研修中だけど、遅刻も
欠勤もしないで行ってるし。

おっきなミスもしてないわ」


何が聞きたいのか知んない
けど、早く終わらせて
ほしーんですけど。


そんな気持ちを隠そうとも
せず、あたしは投げやりな
口調で話す。


「楽しいか?」


――――は?


あたしは思わぬ問いかけに
意表をつかれて、言葉に
つまった。


楽しいか、って――?


だってそもそも、やりたくて
やってることじゃないんだよ?


パパの勝手に決めた命令。

あんまり人をなんにも
できないダメ娘みたいな
言い方するんで、腹が立って
挑発にのっただけ。


デザインみたいに、あたしが
興味あることでも好きな
ことでもない。


『楽しいわけないじゃん』。



そう。



そう、即答してやればよかった。



でも、あたしは。


そうすることをためらってる
自分に気づいて、自分で
驚いてた。


だから、何も言えなかった。
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