《完》極上☆SWEETS!! 〜愛しのショコラ・プリンス〜
そっか―――。


あたし、あの店が『好き』
なんだ。


だから、あのオバサンに
侮辱されたとき、あんなに
悔しくて、許せなかったんだ。



そう、気づいて。


あたしは、マッキーや他の
2人に内心を悟られない
ように、表情を取り繕う
ので必死だった。


だってなんか、恥ずかしい
じゃん。


うまくできてたのかは
わかんないけど、マッキーは
そんなあたしを包み込む
ような優しい目で見て、


「だったら、ちっとも
難しいことじゃない。

お客様にもこの店を好きに
なって欲しい、って。
そう思えば、いいだけだから」


「お客様にも……この店を
好きに……?」


「そう。

みんなに、この店を好きに
なって帰ってもらおう、って。

そう思えば、自然とする
べきことがわかってくるよ」


「…………」



それなら、できるかもしれない。


自信はないけど、少しだけ
そんなふうに思えた。


あたしの働くパティスリー・
ルナは本当にいい店だって、
胸を張って言えるから。


あたしの好きなお店を、

もっともっと、たくさんの
人に好きになってほしい――。
< 184 / 384 >

この作品をシェア

pagetop