《完》極上☆SWEETS!! 〜愛しのショコラ・プリンス〜
もう1回、『お断りします』
って言おうとしたとき。


右隣から、鋭い声が
あたしを刺した。


「――何、ビビッてんの?」



「―――――!!」



あたしは体を強張らせて、
顔だけを動かして声の主
――爽介を見る。


爽介はゆるくウェーブの
かかった毛先を、指でクル
クルともてあそんで。


そんな何気ないポーズを
装いながら、瞳はまっすぐに
射抜くような強さで
あたしを見てた。


「べ、別にビビッてなんか……」


「ビビッてるだろ。
なーんかオドオドしてんじゃん。

お前、デザインって好きで
やってたくせに、何が
そんな怖いんだ?」


「なっ―――!」


一瞬で頭に血が上るのが
わかった。


……何、わかったよーな
こと言ってくれちゃってんのよ。


あんたとあたしは違う。


自分の好きなことで成功して、
コンクール優勝経験もあって。


そんなあんたに――わかる
わけない。
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