《完》極上☆SWEETS!! 〜愛しのショコラ・プリンス〜
あたしがおとなしく寄って
来たのを確認すると、爽介は
クルッと背を向けて、その
まま小路の奥の方に歩き出す。


「ちょっ、どこ行くのよ!?

あんたまたあたしをラチる気!?」


爽介の考えは、もう
だいたい掴めてる。



昼間の話――、きっと爽介は、
まだゼンゼン諦めてないから。


たぶん説得するために、
わざわざ待ち伏せまでして
あたしを待ってたんだろう。


どんだけ説得したって、
ムリなものはムリなのに……。


「爽介ってば!

あたし、行かないわよ!」


少し遠くなりかけた背中に
そう叫ぶと、爽介はピタッ
と立ち止まってあたしを
振り返り、


「オレ、別にお前を変な
とこに連れてったこと
なんかないだろ。

いーもん見せてやるから、来い」


ぶっきらぼうなくせに、
やけに自信に満ちた言い方。


――よく言うわよ。

行き先も告げず自分の
部屋に連れ込むのは変じゃ
ないのか、ってゆーの。
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