《完》極上☆SWEETS!! 〜愛しのショコラ・プリンス〜
爽介はまた歩き出して、
立ち止まったあたしとの
距離が、徐々に広がってく。


――どーしよう。このまま
ムシして帰ってやろーかな?

あいつは背中を向けてる
もん、その気になれば
簡単にできる。


でも―――。


きっと爽介、自分が仕事
終わった夕方から、ずっと
この辺りで待ってた気がする。


一度家に帰ってもいいん
だけど、たぶん、爽介は
そうしてない。


あいつは、思いついたことは
すぐ行動にする一直線な
ヤツだから。


あたしを説得する『何か』を
思いついて……それから
ずっと、今まであたしを
待ってたんだ。



「……ったく!

もぉ今回限りだからね……!!」


ホント、どこまでも自分
勝手で、強引で。

あたしの気持ちなんて、
おかまいなし。


あたしが振り回されて
あげる必要なんて、ホントは
どこにもないんだから。


ついて行くのは……そう、
あたしが優しいからよ。


ずっと待ってたあんたに
免じて、ちょっと付き合って
あげるだけ。

それだけなんだから。
< 201 / 384 >

この作品をシェア

pagetop